中学生におけるSDGs認知度向上を目的としたノベルゲームの制作

Thesis
Yumi SUZUKI, 中学生におけるSDGs認知度向上を目的としたノベルゲームの制作, 2022, https://www.mast.tsukuba.ac.jp/intra/thesis/fy2021/pdf/201811423.pdf

2021年度卒業研究論文。

概要

SDGs とは持続可能でよりよい世界を目指す国際目標である。2012 年にリオデジャネイロで開催された「国連持続可能な開発会議」で議論が始まり、2015 年には国際目標として国連で採択され、2030 年の達成を目標としている。
日本における SDGs の達成度は 2021 年 6 月の「Sustainable Development Report 2021」によると 165 か国中 18 位であった。それに対し認知度は 2019 年の「SDGs の認知率調査」によると、調査対象の 28 か国中最下位であった。これは「達成度は高いが認知度は低い」日本の現状を表している。その要因として SDGs の実践に関しては、国や企業レベルの取り組みが主であり、個人レベルでは浸透していないのではないかと考えられる。
SDGs の達成期間は 2030 年とされているが、それ以降も持続可能な開発を続けるためには、将来を担う子供たちに興味関心を抱かせ、かつ自分のこととして認識させる必要がある。2020 年 8 月に学研教育総合研究所が行った「中学生白書 Web 版」では 66.2%が SDGs を知らないと答え、子供たちに浸透していない現状が明らかになった。
このような背景を踏まえ、本研究では SDGs を社会科的な学習ではなく、楽しくゲームをすることで自分事として認識させることを目的とし、グラフィックデザインやストーリーテリングの技術を用いたノベルゲームを制作した。