ステップシーケンサーにおける変奏のためのグラフ型表現の提案

OKAMOTO Nagomi, ステップシーケンサーにおける変奏のためのグラフ型表現の提案, 2012,

2011年度卒業研究論文。

概要

ステップシーケンサーは、現在多くのミュージックシーケンサーがもつ機能の一つである。単一もしくは複数のトラックを持ち、トラックは複数のステップで構成される。演奏者はステップ上に音を配置することで演奏パターンを作成する。トラックは周期的に反復走査され、入力された演奏パターンをもとに自動演奏を行う。

音楽の分野において、統一性と多様性は楽曲の重要な要素であると言われている。ステップシーケンサーを使えば、時間のステップ化と反復によって統一性が保たれ、作曲や演奏の技術の無い人でも簡単に演奏パターンを作成できる。

しかし、従来のステップシーケンサーのトラックは一定のステップ数が順番に並んだ直線上のものであり、演奏はトラックを一方向に走査することで行う。そのため、演奏中のトラックの編集以外で変奏が起きることはない。

本研究の目的は、ステップシーケンサーにグラフ型表現を用いて、変奏を可能にすることである。トラックにグラフ型表現を用いたステップシーケンサーを制作し、グラフ型表現に酔って期待できる変奏の要因についての評価実験を行った。その結果、ステップシーケンサーのグラフ型表現はいくつかの形式の変奏を引き起こし、また操作・演奏の面白さを向上できることが分かった。