2019年度卒業論文
Abstract
スマートフォンの大容量化や、クラウド技術の発展という背景から、写真を大量に保管するケースが増加している。また、写真加工アプリの登場により、写真の加工が手軽になった。しかし、同時に保有する写真に対して不満を抱く人は依然として存在している。写真の表現力向上の加工方法としてトリミングによる修正が挙げられるが、これは専門知識・技術を必要とするもので、一般カメラユーザには難しい。
本研究では、これらの一般化カメラユーザでも、大量の写真を構図を考慮した魅力的な写真に加工できるようにすることを目的として、自動トリミングの精度向上と、高速化を行なった。画像評価実験、注視点測定実験、システムの評価実験の3つの実験により、システムの性能評価と効果の検証を行なった。
既存の研究では構図を適用した自動トリミングについて、その有効性が示されていたが、一方で被写体抽出の精度と、システムの高速化が課題とされていた。そのため、本研究ではSURFと呼ばれる特徴点抽出の手法を被写体抽出処理に採用し、画像にリサイズ処理をすることで、被写体抽出の精度向上とシステムの高速化を図った。