人工生命アルゴリズムを用いた生命体表現の試み―アリの動きの軌跡による形状生成を中心に―

Thesis
SAIKAWA Takuma, 人工生命アルゴリズムを用いた生命体表現の試み―アリの動きの軌跡による形状生成を中心に―, 2022,

2023年度卒業論文

概要

 本研究では、人工生命の自律的な行動の軌跡によるグラフィック生成の手法の提案と実装を行った。本システムの特徴として、アリをモチーフとした人工生命を用いており、それらが生み出す創発的なデザインだけでなく、作品が生成される過程で営まれている人工生命の活動の観察も楽しむことができる。また、鑑賞者が間接的に人工生命の行動に関われるようなインタラクションを持たせることにより、生命同士が単体では生成できないデザインを生み出すことが可能になる。人工生命は、一個体や一部分としては単純な規則やアルゴリズムによって構成されていても、それが組織となり互いに影響し合うことによって、予測不可能な行動を見せる。そして、その行動の軌跡を可視化することによって、従来にはないグラフィックの生成が可能になり、人工生命を用いた新たな表現の可能性を提示した。