トロット歩容を活用した生命感ある人工生命の強化学習のための報酬設計

Peer Reviewed
SAIKAWA Takuma, KIM Sangtae, トロット歩容を活用した生命感ある人工生命の強化学習のための報酬設計, デザイン学研究作品集, 29(1), p. 1_30-1_35, 2023, https://doi.org/10.11247/adrjssd.29.1_1_30

概要

 2020年代初頭のCOVID-19の流行に伴い、ペットへの需要が増加している。それに応じて、高い飼育のハードルを解消するためのAIやロボット技術を利用した代替ペットが注目されている。しかしこれらのコンパニオンは、プログラムやアルゴリズムに基づいて動作するため、生命感の再現が困難である。本研究では、この生命感を人工生命の動作に取り入れ、新たなコンパニオンとしての可能性を広げるため、4足動物が前脚と対角の後脚を同時に動かすトロット歩容を基にした強化学習の報酬設計を新たに提案する。伝統的な報酬設計で学習したモデルと比較し、観察者の印象の違いを通じて、新しい報酬設計の効果を評価した。結果として、提案した報酬設計は人工生命の動きの生命感を強化する上で有効であることが確認された。また、生命感は単一の要因だけでなく、複数の要素が複雑に影響しあうことも明らかとなった。