2014年度卒業研究論文。
概要
本研究では、近年発達が進んでいるリアルタイム CG を利用し、形態比較に 3DCG モデルの変形アニメーションを用いた新たな骨格標本を提案した。骨格の比較を、骨格の分類に従って設定した変形アニメーションによって表現することにより、比較する 2 種における骨の対応関係が分かりやすくなると予想される。提案手法によって、閲覧者は、形態比較を行う際に整理しなければならない情報を削減することができる。実物の標本を並列する従来の骨格形態比較の手法に比べ、より直感的な比較が可能になると予想し、コンテンツの制作と評価を行った。
評価実験の結果、「骨格形態比較の容易さ」に関して高い評価を得ることができた。また、全ての被験者が、本研究で制作したコンテンツの閲覧によって、骨格の形態差異と共通点に関する新たな知見を得られたことがとわかった。提案手法は、文字による補足情報を必要とせずに、動物の形態に関する新たな発見や気づきを促すことが可能であると言える。