しかけ絵本と拡張現実感の融合〜学習用参加型絵本の制作〜

Thesis
, しかけ絵本と拡張現実感の融合〜学習用参加型絵本の制作〜, , (), p. , 2011,

概要

 近年では、個人のコンピュータでも簡単に拡張現実感(Augmented Reality 以下 AR)を実現することが可能となり、AR が身近な存在となりつつある。その例のひとつに、絵本に AR 技術を取り入れた「AR 絵本」が挙げられる。AR 絵本は従来の飛び出す絵本やしかけ絵本といったものに成り代わる存在として期待されている。しかし、現状では飛び出す映像を楽しむ AR 絵本が多い一方で、しかけを重視したものは開発が遅れている。

そこで、本研究ではしかけに重点を置いた参加型 AR 絵本の開発、制作を行った。一冊の同じ絵本でも遊び方によってストーリーが変化する。また、映像だけではなく文字にも焦点を当てた学習用の絵本である。

制作した絵本は実際に子どもたちに遊んでもらい、反応、アンケートによる評価実験を行った。被験者の子どもたちは AR 絵本に大きな関心を示し、しかけにも夢中になって遊んでいた。更に、文字への学習意欲が促進されるとの結果も得られた。